日記 2020年6月18日 木曜日

2020年6月18日 木曜日

 

三浦と遊ぶ前日の私はいつも張り切っている。スクラブ、髪のパック、剃毛、ボディケア等を丁寧に行う。本当は山登りをした後に温泉に行こうという話だったが、雨なので変更を余儀なくされた。結局温泉気分が抜けきらなかったので有馬温泉に行くことになった。目標体重を達成したら温泉に行くという誓いを立てていたが気にしないことにする。

 

新型肺炎の影響で有馬温泉のほとんどの店が閉まっていた。適当に歩いた後、奇跡的に営業していた手打ち蕎麦の店に行った。えらく親切な接客を受け、おでん一個をサービスしてもらうなど、気分がよかった。私は2色の蕎麦を、三浦はニシン蕎麦を頂いた。80歳のおばあさんがお茶を注ぎにやってきて、綺麗な肌を自慢してくれた。

三浦のために描いた絵をやっと渡すことができた。せっかくなのでネットプリントに登録してみたが、三浦が絵を見た瞬間に号泣したので、絵の描きがいがあったなあと思った。

 

目当ての温泉そっちのけで永遠にフードコートでオタク談話に花を咲かせていた。平日ということもあり全く人がいなかったので贅沢な気分だった。外は雨で、閉鎖的な空間に仲のいい友達といると思うと貴重な体験だな~という実感が湧いた。
絵を描いたお礼にとソフトクリームを奢ってもらった。お互いコーンの下からどんどん垂れてきて大変だった。食べ終わった後しばらく話し込んで、また昼食を摂った。
国産牛と山椒の釜めしを食べた。牛は蒸すと脂が甘くていい。粉末のや漬けの山椒は食べたことがあったけれどちゃんとしたのを食べたのは初めてで、鼻から抜ける香りが爽やかですごくおいしかった。

 

岩盤浴で寝っ転がりながら三浦の好きなところはねーと零した。足と手がデカいとこ、金銭感覚が同じとこ、ノリいいけど肝心な部分は慎重なところ(これ言ったかな)など…

そしてふと、三浦自身のことを何も知らんなと思った。三浦の家庭環境のことも、共通の友達じゃない友達のことも、恋愛のことも、経済状況のことも。
友達というのは、お互いの秘密を共有していて、酸いも甘いも共に知るのが当たり前だと思っていた。払拭できない孤独に悩まされ続けていたのは、誰かと共同体になりたいと思っていたからなのかもしれない。

三浦としかできない会話があって、私はとても救われている。ジャンルが違ってもオタク話ができるのは三浦だからこそで…ただ、去年の夏、塩屋に行ったときは全くオタク話をせず将来の話とか真面目な話をたくさんした気がする。

あー。利用し、利用される関係じゃない。と、三浦のこと心から信じられて良いな。

 

締めに、土砂降りのなか悲鳴を上げながら露天風呂に入った。一つのバスタオルを二人で被って顔が濡れないようにした。炭酸風呂でお尻をプカプカ浮かして遊んだり、旅行に行こうよと約束したりした。ライトがお湯の中できらきら光っていた。

 

三浦と来年に旅行しよって話になった
口約束やし不確定やけど、私と旅行に行くために時間とお金を割こうと思ってくれることが嬉しいねんよな(自己肯定感低杉太郎)
Twitterより)

 

20時には有馬温泉を後にした。三浦にお酒が飲みたいねというと、二つ返事で了承してくれた。別れって惜しみながらするもんだけど、三浦とはとことん欲張りになれる。私は三浦といるときはいつも食べすぎる。さっきだって体重計乗ったら2キロ増えていた。

ダイニングバーでオペレーターとキティを頼んだ。そのあと、またご飯を食べた。

 

三浦がタバコを吸いたそうにしているように見えたので、「吸ってもいいよ」と言った。すると、三浦が鞄からおもむろにMarlboroメンソールを出した。
「吸ってもいいよ」とは言ったが、その時私は三浦がタバコを吸うのを初めて知り、小さな衝撃が走った。高校からの仲だったからすっかり忘れてたけど、お互い成人しているんだよなあ。
私がソワソワしていると、三浦が一本くれた。というより、私が一本触ったので「それ戻すなよ」と言われ、吸わにゃならんかと思っていると火をつけてくれた。三浦じゃなかったらタバコ吸わんかったな。「めっちゃ頑張って禁煙したのにまたタバコ吸いたくなったらどうしよ~」と言うと、あれ、なんだったっけ、覚えてない。

 

三浦が2杯目を飲むのでなんか選んでと言われ、私が以前ここに来た時に飲んだズブロッカをオーダーした。イエローモンキーのライブで聖なる海とサンシャインを聴き、そういえばズブロッカって飲んだことないと思ったのがきっかけだ。そのことを三浦に伝えると、「聴くわ」と言ってくれて、自分ってホンマ恵まれてるよなあと思った。
三浦は会話をちゃんと掬い上げてくれる。どれができる人がどれだけ貴重な存在か。。

 

3か月ぶりくらいにちゃんとしたお酒を飲んだのに全然酔わなかったが、酔ったつもりでフェミニズムの話をした。この間ラインでフェミニズムの話をしたのは間違えたと思っていて、大切な相手だからこそ、表面的なことじゃなくて、私ごとフェミニズムを理解してくれたらうれしくて。あの時、押し付けられるように感じてしまったらごめんねと言った。

 

平和に生きている人に荒波を立て、おまえも惨めさを武器に世と戦えといっている様に強迫しているみたいに感じさせていそうな気がする。それがひどく不安だった。

 


三浦はアッサリ「全然気にしてないよ、今話したらええやん」と言った。

 


22時に解散した。
バスの中で聖なる海とサンシャインを聴き返した。絶対忘れない。

 

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