日記 2020年10月14日 水曜日

日記 2020年10月14日 水曜日

 

 昨日から厚焼きのホットケーキを食べたいと思っていたので、朝(といっても13時ごろ)起きてすぐに取り掛かることにした。ホットケーキミックス粉がなかったので、薄力粉とメレンゲ、ベーキングパウダーで代用した。メレンゲから出る気泡がなかなか収まらず、思い描くような_純喫茶で出てくる鉄板で焼いてある_表面が滑らかなホットケーキができなかったが、回数を重ねるごとに綺麗なものができた。私はクランペットを焼くのが得意だけど、ホットケーキはあまり上手ではないのだ。生クリームを立てながら焼いたので時たま焦げたりしていた。

 

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 味はというと、ホットケーキミックス粉で作るよりも生地がしっかりとしていた。蜂蜜をけっこう多くかけたがすぐにしみ込んで不均等な感じになってしまった…。でもおいしかった。作っている間も食べている間も、遠隔授業を受けていたがあまり聞いていなかった。食べながら見ているうちに、今回の課題は結構きつい事がわかり逃げ出したくなるなど。

 

 猫の機嫌が頗る良かった。たいへんよく鳴き、喉を鳴らし、足にすり寄り甘えてくれた。昨日の猫の、今まで聞いたことのない痛々しい悲鳴を思うと余計に嬉しかった。そのまま日光浴をしたり、撫でたりしてすぐに夕方になった。宅急便が来て、慌てて荷物を受け取ったが来ていたトレーナーが前後ろ反対で思いっきりタグが見えていて恥ずか死んだりした。

 

 夜、妹が「もんちゃん(私の愛称)の誕生日プレゼントにクッキー作ろうと思うねん」と言った。アイシングで『お誕生日おめでとう』って書いてや~と返すと、「ほな買ってきて」ということでスッピンで外に繰り出した。

 今日は私が20歳として過ごす最後の一日だった。そういえば私は高校生の頃から「x歳の締め」を10月14日に行っていた。具体的には植物館や美術館へ赴いたり、小旅行をして「良いx歳だった~」と思えば御の字だ。今年はどうしようかなと考えてはいたが、遠隔授業があることや、単に「気合が入らない」という理由で今年は普通に過ごすことになったのだ。

 肌寒い秋の道を歩きながら、ならば家で二十歳を締めようではないか。と思った。何がふさわしいのか?この間買った入浴剤を使う?しばらく考え、爪を切り、部屋を片付けようと決意した。スーパーを2軒回ったが、白色のチョコペンがなかったのであきらめて明日買うことにした。

 

 家に帰るとクッキーの焼けた匂いがした。外の温度から家の温度への移ろいというか、ドアを開けた瞬間にブワッと暖かさとバターの溶ける匂いがして、幸せを体現したみたいだとおもった。それが私のためのクッキーだとなおさらだ。

 クッキーはちょっと焦げてるのと綺麗に焼けてるのがあって、私に贈ってくれる用のはデカい長方形のクッキーぽかった。その辺にあるクッキー4~5個分はある。お風呂から上がってきた妹と味見をした。「これココア?」と聞くと「焦げとんねん」と笑った。

 

 風呂に入ったり寝る準備をした後、早速爪を切った。足だけ切った。たぶん1ヶ月は切っていなかったので、歩くとき痛かったりしたのだけどこれで解放される。21歳になったらペディキュアくらいは塗れるようになったらいいなと思った。思えば20歳のほとんどは家で過ごしたかもしれない。ここ一年間の生活は本当につまらなく、(ありがたいことに)平凡だったけど、世界で見ると激動の1年だったのがすごいなあと思った。私はたくさんの人を巻き込む形での犯罪に遭ったことがないし、大きな地震も体験したことがない。デカい台風もたまたま親に内緒で東京に行ったりしてたし、死ぬつもりで行ったパリだって無傷で帰ってこれたのだ。今回の新型肺炎でもそうだ。出かけるなと親や国に言われているのに学校へ行くと嘘をつきいろんな場所へ行った。だけど身近な人は誰もなくしていないし、罹患していない。20歳になった時、「慎ましく生きますよう」と誓ったが、けっこういい線いってるなあと思った。

 そして部屋を片付けた。服をまたたくさん捨てた。気に入ってたけど来年はどうかわからんし、安物やしなア。大阪で買ったルーヴル美術館展Tシャツ、1月の寒空の下しろさんとめっちゃ走ってオフスプリングの会場まで行って、そのあと揉みくちゃにされた(本当に激しいライブだった)。とても思い出がある。LOUBLEとバーコード状にプリントされていて、正面から見ると「LOVE」だけどある角度からは「LOUBLE」と読めるのだけど、普段使いとして着てみてわかったがかなり目がちかちかするのだ。なのでおさらばだ。

 この話を書いててちょっと思い出した。オフスプリングのライブは激しかったし、年齢層も30代くらいで男の人たちばかりだった。ライブが始まった瞬間にブラのホックが外れたのだ。今まで普通に過ごしてきてホックが外れたことがなかったので、あまりの激しさにブラ自体が壊れた(?)のかなと思い気にしなかった。というかあまりの激しさに命の危険を感じてすぐに気にならなくなったと言った方が正しいか。しばらくして、性被害のうちの一つにライブやフェスでブラのホックを外されるというのがあって、一気のあの時を思い出して全身が凍ったような感覚になったのを覚えている。なんて下劣な行為なんだろう。思い出した今相当気持ち悪いし、他人(おそらく男性)のそういった意図が私に向けられているということ自体受け入れられないほどの嫌悪感があった。直接向けられることは場数を踏んでいるので慣れている(対峙だしね)けど、相手がわからないというのはホントに嫌だなと思った。収集付かなくなるのでこの話はこの辺で終わりにする。

 

 閑話休題

 二十歳で印象的だったこと_というか、年を取ったなと思ったことは、あらゆる場面で一度立ち止まって考えたり考えるもの自体を疑ったりする癖がつくようになったこと、手段を選ぶこと、私を「私」だと証明するための材料が少しずつ揃ってきたことかな。

なんとなく、人生を料理やら錬金だと考えて、10~18歳までの間は情報収集(追憶のため)、19~22歳までの間は材料を揃えて混ぜ合わせる感じで手段を見つけて、23歳からはその作品を完成させるためにスタートするみたいなイメージがある。錬金にしても料理にしても、なんかこう煮込んでいる間に余計な水分や成分を飛ばして純度の高いものに変えていくみたいな_そんな感じがする。原石の研磨とかよりも、私は煮詰めていきたいな~と思った。知らんけど。要するに、ここからやなということです。

 

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私が一番好きな花のセラスチュームです!締め!

 

 18歳はフェミニズムに出会い、19歳はエロティシズムに出会い、二十歳は孤独と向き合い、21歳は何に出会うだろう?たのしみだ。そして私よ、お疲れさん!